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キャリオプの業界研究② 高齢化・IT化で変化が起こる保険業界



さまざまな業界の現状を紹介する「キャリオプの業界研究」。第2回は保険業界です。ひとくちに保険といっても、生命保険と損害保険では顧客層も企業の力関係も大きく異なります。この記事では、求職者視点で2つの領域の違いについても解説します。

損害保険の稼ぎ頭は自動車保険

まずは、損害保険の仕組みについて簡単に紹介しましょう。保険加入を希望する人は、保険会社と契約を結び月々の保険料を支払います。そして、契約時の条件に該当する損害を被った場合、保険会社から金銭的補償を受けることができます。突然の災害や事故、その他予期せぬ災難に備えることにより、加入者や企業は安心して生活や事業に打ち込めるわけです。

日本の損害保険業界の保険料収入は、自動車保険が半数近くを占めており、その多くは保険代理店を通して契約されています。自動車販売のディーラーや整備工場などが代理店を担っているケースも多く、損害保険業界は自動車業界と密接な関係にあるといえるでしょう。保険料全体で見ても9割ほどが代理店による取り扱いとなっており、加入者と保険会社の橋渡しをする営業は、損害保険業界の中で非常に重要な職種です。

さて、そんな損害保険領域の現状をひとことで表現すると、「競争が激化している業界」です。一因としてまず、一番の収入源である自動車の国内販売数が減ってきていることが挙げられます。近年は、代理店を介さずインターネット販売を行う企業が続出しており、サービス競争が過熱しています。ここ数年の災害によって保険料の支払いが増加したことも重なり、新たな収益源を確保すべく海外事業に力を入れている企業が増えてきています。

生命保険は個人に特化していく傾向に

生命保険の仕組み自体は、損害保険と同様です。死亡、病気、ケガなどで保険金が支払われるだけでなく、介護や教育資金、老後資金を保障するタイプの商品もあります。長期契約を前提に、これらの保障を顧客のニーズにあわせて組み替えていけるような商品も開発されてきました。

少子高齢化が進むなか、生命保険業界にとっては保険に入ってほしい若年層の減少がリスクとなっています。現状は商品開発の強化や、販売努力などで収益を伸ばしていますが、国内市場を長期的に見据えて高齢者層に目を向けた新しいサービス開発が必要になるでしょう。生命保険業界でも、海外に目を向けて積極的に進出を狙う動きが出てきています。顧客一人ひとりのニーズを汲み取ったカスタマイズ商品を作ろうとする流れもあり、ビッグデータやAI技術の活用が試みられています。

損害保険と生命保険、保険業界として今後の共通キーワードになっていきそうなのが「国際化」「多様化」「個別化」です。加入者の減少が懸念される状況がある一方で、新たなサービスやターゲット開拓の動きもあり、安定感・信頼性が高い業界であるのも事実です。営業、商品開発、IT関連の職種で働きたい人は、ぜひチェックしておいてください。

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